大きなジャンプをする時に必要なのはハムストリングスの筋肉です。
ここを傷めてしまうと爆発的な蹴り出す力を出すことが出来ませんよ〜
ランナーに多いお尻の痛み。
お尻の痛みや違和感を訴え、接骨院に来院される方は多いです。
ランナーのお尻と太ももの境目辺りに痛みがある場合、考えられる傷病は
①ハムストリングス筋・腱付着部炎
②梨状筋症候群
③腰椎椎間板ヘルニア
この3つが考えられます。
今回はハムストリングス筋・腱付着部炎について解説します。
ハムストリングス筋・腱付着部炎
ハムストリングスとは
ハムストリングスは太もものお尻にある大きな筋肉です。
このハムストリングスは3つの筋肉を合わせた総称で、「大腿二頭筋」「半腱様筋」「半膜様筋」の3つを言います。
あっ!大腿二頭筋は大腿二頭筋長頭と大腿二頭筋短頭と2つに別れて大腿骨と坐骨に付着しています。
お尻のところで痛くなるのはハムストリングスの中でも「大腿二頭筋長頭」と「半腱様筋」で、他の筋肉と構造が違い、伸縮が大きい筋肉です。
ハムストリングスの作用
ハムストリングスは膝関節、股関節の2つの関節を動かす筋肉です。
股関節を伸展(脚を後ろに反らす)、そして膝を屈曲する2つの作用があります。
ランナーの場合は走るときに足を地面につけて蹴り出すときに最大の力を出します。
走る推進力、スピードを出すために大切な筋肉です。
お尻に痛みがあり、それがハムストリングスの筋・腱付着部の炎症が原因だとしたらハムストリングスを伸ばしてやる動きをすれば痛みを誘発します。
写真のように股関節を屈曲して膝を伸ばす動きです。
自分で動かすより、誰かにそっと脚を上げてもらってくださいね!
椎間板ヘルニアでも同様な痛みが出る場合があります。
しかし、ヘルニアではしびれであったり、下へ響くような痛み方をします。
区別がつきにくい場合は自己判断せず、受診してください。
痛みの悪循環
ハムストリングスを使い過ぎたり、瞬間的に大きな力がかかった時に坐骨の筋・腱付着部に損傷が起きます。
この損傷はコンセントのプラグの付け根の断線のようなものです。
構造上、この付け根は負担がかかりやすく、引っ張られたり、激しく収縮を繰り返すと筋肉、腱の繊維がボロボロになりやすいです。
微細な損傷でもマラソンやランニングなど脚の反復運動で繰り返すことにより、組織自体が硬く、太く、もろくなります。
つまり、何度も痛みが再発しやすく、繰り返すうちに治りにくくなります。
ハムストリングス筋・腱付着部は広い意味でのハムストリングスの肉離れです。
ハムストリングスの肉離れはテレビドラマ陸王で竹内涼真を苦しめたケガです。
でも、シューズを変えると再発しないというものではありません?
シューズを変える前にハムストリングスの動きを意識して過度な負担をかけないことが大切です。
シューズを変えるだけではない。ハムストリングスのケガ予防
①オーバーユース(使い過ぎ)
痛みがある時はランニングを中止してしっかりと回復させることです。
また、走っていて痛みが出ればペースを落としてください。落としても痛みがあるようなら休めましょう。
炎症を繰り返さないようにしましょう。だましだまし使うことも慢性化させますよ?
②筋肉の柔軟性低下(ストレッチ不足)
ただし、痛みの強い時にハムストリングスをストレッチすると微細な筋繊維の断裂をさらにひどくします。
ストレッチも痛みを感じるまで伸ばすと逆効果ですよ❗️
ランニング前はウォーミングアップや動的ストレッチで血行を良くしてください。
ランニング後はゆっくりハムストリングスをストレッチして柔軟性を保つようにしてください。
③大腿四頭筋とハムストリングスの筋力の差
太ももの前面にある大腿四頭筋はハムストリングスの「拮抗筋」といって反対の動きをすることによって太ももの前面と後面のバランスを取っています。
大腿四頭筋の力が強すぎて、ハムストリングスの筋力が弱いと筋肉が引き伸ばされて傷めやすいです。
痛みがなくなったらハムストリングスを強くする筋トレを練習に取り入れましょう。
ハムストリングスを強くする運動
スクワット
スクワットでは必ず腰を下げた時に膝が足先より後ろの位置にあるようにしてください。
このように膝が前に出てしまうと膝の筋肉しか鍛えられません?
ランジ
まっすぐに起立して片脚を前に出します。
脚を大きく前後に開け腰を落としていきます。
前に出した膝は必ず少し曲げてください。
ゆっくり、膝をつけずに腰を落としましょう。
次に最初の起立の姿勢に戻し繰り返します。
④ランニングフォームの改善
ハムストリングスの筋・腱付着部の損傷も肉離れもランニングフォームは大切です。
ドラマ陸王ではやたら「ミッドフット着地」を強調していました。
ミッドフット着地は足裏全体で着地し、衝撃を分散させます。
シューズやインソールは大切です。
でも、ハムストリングスに無理をかけない方法はミッドフット着地だけではないです。
身体の性質や特性、これまで積み重ねた練習、個人個人でベストな走法は違います。
ミッドフット着地以外にも歩幅で負担を調整したり、坂道や階段を走ることを控えたりする必要があります。
ハムストリングスに負荷をかけるストライド走法
ストライド走法は歩幅を大きくとる走り方で、スピード、パワーを出しやすい走り方ですが、筋力を多く使います。
なぜ歩幅を大きくとるとハムストリングスに負担がかかるのか?
ハムストリングスに瞬間的に大きな力がかかるのは股関節を屈曲して膝を伸ばす時です。
まず、足を着地する時に歩幅が大きいと身体が前傾姿勢になりやすいです。
これは股関節を屈曲している状態になり、足を着地した時、膝を伸ばしがちになります。
そして前に脚を踏み出した、反対側の脚は大きく後方に残すことになります。脚を後ろに残すと身体は自然と身体の前傾姿勢を強くします。
つまり歩幅(ストライド)を大きくして速さとパワーを出すにはハムストリングスがそれに耐えられるように鍛えられていなければなりません。
鍛え方が足りなかったり、筋力がまだできていない状態では大きく歩幅をとるストライド走法はしないほうが良いでしょう。
男山階段ダッシュ(階段、坂道トレーニング)
また、急な斜面をダッシュする。段差の少ない階段を猛スピードで駆け上がることもハムストリングスを傷めている時はしないでください。
この近辺なら男山の階段ダッシュに行くランナーも多いですよね。
脚の筋トレ、心肺機能向上には効果的ですが、ハムストリングスに不安があるときはダメですよ!
ダッシュやスピードを最大限に上げる走りはハムストリングスが大きな力を出します。
これが斜面や階段だと身体をより前傾させているし、蹴り出す力を発揮するのに膝を伸ばし、負担を増大します。
登り斜面だと身体を前傾させ股関節を屈曲させた状態での着地。
下り斜面だと膝を伸ばしたままの着地になります。
どちらもハムストリングスへの負担は大きいです。
ケガがない時だと筋力をつけるために効果的な練習ですが、ハムストリングスに炎症や損傷があればかえって症状を悪化させます。
ハムストリングス筋・腱付着部炎の治療
ハムストリングスの上には下双子筋、その上に大臀筋が重なり、付着部を直接、触れることはできないです。
痛みが歩けないほどであったり、ブチっという音と共に痛みが出たような場合は断裂や損傷が激しい可能性があり、整形外科でのMRI検査が必要です。
そこまで激しくなければ、急性期にはアイシングを行い、ランニングを休止してください。
お尻、太ももの付け根は固定ができないので、痛みが強い間は痛みが出る動きはしないでください。
ハムストリングスのストレッチ、マッサージも急性期はしないでください。
状態が落ち着いてきたら温めたり負荷のかからない運動に切り替えましょう。
痛みがなくなってからスクワットや筋トレを始めましょう。
ハムストリングス、大臀筋の筋トレは大切ですよ。
その時、大腿四頭筋、腸腰筋との筋力差を考慮したトレーニングが大切です。
ハムストリングスの筋・腱付着部の痛み、お尻の痛みの症状があれば橋本接骨院にご来院くださいね!
マラソン前のメンテナンス、走った後の疲労回復、ランニングでの痛みなどお気軽にご相談ください。
橋本接骨院はランナーの皆様を応援致します。
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