変形性膝関節症など膝の痛みはお尻の筋肉の低下が原因の一つです。
歩くとき、走るときの動きをスローで見てみると片足立ちを交互に繰り返して前に進んでいます。お尻の筋肉が弱くなると片足立ちでバランスが崩れたり、ぐらついたようになります。このぐらつきが大きく影響するのが膝関節です。膝の関節は前後ろに曲げ伸ばしは出来ますが、横にブレたり、ねじったりする動きにとても弱いです。
脚がブレながら毎日何千歩も歩くと、膝の軟骨はすり減り、クッションの半月板も擦り切れていきます。
変形性膝関節症を予防するには脚の筋力をつける以上にお尻の筋肉をつけることが大切です。
今回のトレーニングは足が不安定な状態で体を支えるため、高齢者や膝の痛みが強い方、水が溜まっている方には不向きです。将来膝に不安のある方、予防したい方におすすめします。
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バランステスト(片足立ち)
開眼片足立ちテスト、つまり目を開けて片足立ちを試してみましょう。
20代の方の平均は70秒。 30代では55秒、40代では40秒、50代では30秒、60代は20秒と言われています。
片足で立つことで、不安定になった重心を安定させるために使われるお尻の外側にある筋肉や太ももの内側にある筋肉が鍛えられます。また片足立ちでは体幹も鍛えられます。これらの筋肉が強くなることによって体がグラつかず、安定できます。
イスの背もたれなどに片手をついて立ちます。
床に足がつかない程度に片脚を上げ、そのまま1分キープして下ろしましょう。
反対側の脚も同様に行います。
若い方や体力のある人は手を離して挑戦してください。
カーフレイズ
足を肩幅に開き、背中を真っすぐにして立ちます。
かかとを上げ、限界まで上げたら、ゆっくりとかかとを下げましょう。
20回繰り返しましょう。
体がグラつく方はイスなどに手をついて行いましょう。
レッグサイドスイング
イスの背もたれの後ろに立ち、両手で背もたれを持ちます。
右足に重心をおき、左脚をまっすぐ伸ばしたまま、左側の真横へ振り上げて4秒キープしましょう。このとき上半身はまっすぐに保ち、傾かないよう注意しましょう。転倒しないように無理のない範囲でしましょう。
次に左足を床に下ろさないように元の位置へ戻します。
10回したら反対の足も同様に行います。
ニー・リピート
つま先を平行にして脚を前後に開き、股関節が伸びる位置まで、片脚を後ろに引きます。
後ろに引いた脚を胸に近づけるように股関節から引き上げます。同時に腕も振りましょう。
引き上げたら4秒間キープしたら戻します。腕がちぐはぐにならないように注意してください。
5回繰り返しましょう。反対の脚も同様に。
ホッピング
ランニングフォームをとり、片脚立ちになります。反対の脚を入れ替えるようジャンプして、着地の姿勢を4秒間キープしましょう。
体がブレないようにキープしながら左右交互に10回繰り返しましょう。
ニー・トゥ・エルボー
片手を腰に添えて立ち、反対の腕は肘を曲げて上げておきます。
反対の脚の膝を持ち上げ、肘と膝を近づける動きを繰り返しましょう。膝と肘はくっつかなくて構いません、背中が丸くなるように注意しましょう。
テンポよく10回繰り返したら反対の手足も同様に繰り返しましょう。
エアプレーン
肩幅に足を開き、両手を横に伸ばします。軸足を軽く曲げておきます。
次に片方の脚を後ろに伸ばすと同時に上半身を前に倒していきます。
頭から足までが一直線になるようにした後、ゆっくり元の体勢に戻します。
反対の脚も同様に行い、これを5回繰り返しましょう。
ふらつく方は片手でイスの背もたれに置きましょう。
ヒップレイズ
床にあお向けになり、脚を腰幅に開いて両膝を立てます。腕は伸ばし、手のひらを床に向けて体の両脇に置きましょう。
胸から膝までが一直線になるようゆっくりお尻を持ち上げます。このとき、背中が反らないよう注意しましょう。
4秒間キープしたら床につかない位置までゆっくりお尻を下ろし、この動きを繰り返しましょう。
10回行います。
プランク
床に両肘とつま先をつけて四つ這いになります。膝を伸ばして頭から足まで一直線の状態をキープしてください。
30秒間キープします。
慣れてきたら1分以上頑張ってください。逆にどうしてもできない方は両膝を床につけてやってみましょう。
最後に
変形性膝関節症の予防として膝周囲の筋力をつけることが大切なのは確かですが、膝にかかる負担を減らすためのお尻の筋肉である中殿筋、大殿筋と体幹を鍛えてぐらつかない体を作る必要があります。ただし、今回のトレーニングは膝で踏ん張る力も必要なので、膝に痛みがある方、軟骨のすり減りが多い方は避けてください。また運動中に膝に痛みを感じる方も避けてくださいね。
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