梅雨の時期になると痰が出やすい、詰まりやすい、と感じることはありませんか?
梅雨は雨が多く、湿気が増えます。 湿気が過剰になり、体がだるい、重いなど悪い影響を与えるものを東洋医学では「湿邪(しつじゃ)」とよび、湿邪が身体に停滞したものを「痰湿(たんしつ)」といいます。
痰湿は、体内の水分の流れが滞り、ドロドロとした痰や湿のような痰湿(たんしつ)状態になったものを指します。肺に影響を与えると痰が詰まりやすくなります。また、坐骨神経痛や腕のしびれ、重度の腰痛、ぎっくり腰、めまいなどにつながります。
そこで今回は、梅雨の時期を元気に過ごすための痰湿対策のお灸をしていきましょう。
*注意
お灸を据える際には、熱さを我慢せずに、熱いと感じたらすぐに位置をずらすか取り除くことが重要です。また、発熱時や飲酒時、食前・食後30分、入浴前後30分、過度な疲労時や睡眠不足時、体力が極端に落ちている時などは避けるべきです。さらに、糖尿病などの神経・血行障害がある場合は、特に末端への使用は注意が必要です。肌の弱い方や、肌に異常がある場合も使用を控えるようにしましょう。
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天突(てんとつ)

喉仏のすぐ下で左右の鎖骨を結んだ中央の窪みにあります。
効果は 「利咽(りいん)」 と 「去痰(きょたん)」 という二つの作用があります。
利咽とは喉の空気の出入りをスムーズにし、炎症を抑える作用です。
去痰とは痰を取り除く作用です。
まさに、痰に悩む方にぴったりのツボですね!
中府(ちゅうふ)

鎖骨の外端の下のくぼみから指1本分下がったところにあるツボです。
肺の気の集まるところとされ、呼吸機能を高める効果があるとされています。咳を鎮め、呼吸を楽にする効果が期待できます。
尺沢(しゃくたく)

肘を曲げたときにできるシワの親指側にある腱の外側にあるツボ。
東洋医学では咳に関係する「肺の気の流れ」の上にあるツボといわれ、昔から咳に効果があるとされるツボです。
咳、痰、喉の痛み、呼吸困難、口や喉の渇きなど、風邪の症状や呼吸器系の不調に効果があると言われています。また、免疫バランスを整える効果も期待できるとされています。
三陰交(さんいんこう)

内くるぶしの最も高いところから指幅4本分。脛骨の骨際に取ります。
東洋医学で言う3つの陰(内側)の経絡が交わる場所(脾臓、肝臓、腎臓)を意味し、3つの臓器の働きを調節するというのが名前の由来で、効果の高いツボです。
血行促進、ホルモンバランスを調整します。また、生理痛や生理不順などの婦人科系疾患の症状、冷えからくる胃腸への不具合、更年期障害からののぼせなど多くの不調の改善に働いてくれる、万能ツボと言われています。
陰陵泉(いんりょうせん)

脛骨(けいこつ)の骨際を軽く指で擦っていきます。指が止まるところ、脛骨の上端はラッパ状に膨らんでいるので、その手前のくぼみに取ります。
陰陵泉の効果効能は、むくみ改善に効果を発揮します。余分な水分を排出し、下半身のむくみを軽減する効果が期待できます。
お腹の冷え、消化不良、尿失禁、生殖器の痛みなどに効果があります。 女性生殖器・泌尿器の症状全般に効果があり、とくに冷えによって悪化する生理痛があるときに刺激するといいツボです。
豊隆(ほうりゅう)

脛(すね)の少し外側で、すねの前の筋肉の中央あたりにあります。お皿の下と足首のちょうど中間あたりの高さに位置します。
「豊」は豊富、「隆」は盛んであることを意味します。筋肉が豊富で隆起している部位にあることからこの名前が付きました。
「去痰の要穴」と呼ばれるくらい、痰湿除去の特攻穴です。
特徴的な効果は痰を体外へ排出するように促すという効果があります。
湿気の多いこの季節、まさにこの痰が溜まりやすく、湿った咳やのどへの引っ掛かりも多くなります。
また、胃痛や胃もたれなど消化器症状に効果的です。
最後に
痰湿の原因は、暴飲暴食、脂っこいものや甘いものの過剰摂取、運動不足、冷たいものの摂りすぎ、飲酒、喫煙など、生活習慣の乱れが挙げられます。また、加齢やストレス、病気なども影響することがあります。
体は老廃物を体の外に出そうとしますが、糖質・脂質過多の食生活や運動不足だと追いつきません。痰湿タイプの方は食事生活を改善し、入浴やランニングなどでしっかり汗を流して体の水分を外に出しましょう。
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