変形性膝関節症は、中高年以上に多い膝の疾患です。膝の関節軟骨がすり減った結果関節内に炎症を起こし、痛みや腫れを引き起こします。進行していくと、骨同士が直接擦れることで骨が変形し、歩くことも困難になり、生活の質を落としていきます。今回は変形性膝関節症の方へおすすめする室内で手軽にできるトレーニングを紹介します。
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膝伸ばしのトレーニング(大腿四頭筋)

変形性膝関節症の方が最優先すべきは、太ももの前側にある大腿四頭筋のトレーニングです。大腿四頭筋は膝のスプリングの役割があり、衝撃から膝を守る働きもあります。
イスに座り、片足をゆっくりと伸ばして床と平行になるように保持し、4秒キープしましょう。その後、ゆっくりと膝を曲げて戻します。
10回繰り返しましょう。反対の脚も同様です。
ボール潰しのトレーニング(大腿四頭筋)

床に座り、膝の下にミニボールを挟み、膝の裏でボールを潰すように押し付けて4秒キープしましょう。その後、力を抜いて繰り返します。ボールがなければ折りたたんだバスタオルや枕などでも構いません。
10回繰り返しましょう。反対の脚も同様です。
ハーフスクワット(お尻・太もも)

両手を頭に当てて、脚を肩幅に開いて立ちます。膝がつま先より前に出ないように背中を伸ばしたまま、お尻を後ろに突き出すように腰をゆっくり落とします。膝が痛い人は痛みが出ない範囲で行なってください。
腰を落として4秒間キープしたら最初に姿勢に戻ります。
10回繰り返しましょう。
ヒップリフト(大臀筋)

あお向けに寝て、膝を立てます。お尻を持ち上げて4秒キープしましょう。その後、ゆっくりと下ろす動作を繰り返します。
10回繰り返しましょう。
レッグレイズ(大腿四頭筋)

太ももの前の筋肉である大腿四頭筋を強くします。
仰向けになり、片脚の膝を立てます。反対の脚はつま先を上に向けて伸ばしましょう。
脚を伸ばしたまま床から10センチ浮かせて4秒間キープして、下ろします。
10回繰り返したら反対の脚も同様に行いましょう。
クラムシェル(中殿筋)

横向けに寝転がり、片方の肘をついて頭を支えます。反対の手は身体を安定させるために胸の前につきましょう。両足のつま先をそろえて、膝を曲げておきます。
かかとをあわせたまま骨盤を開くイメージで上の脚の膝を起こします。ゆっくりと膝を開いて、ゆっくり戻します。この時、骨盤が倒れないようにキープしてください。
10回繰り返したら反対側も同様に行いましょう。
股関節のストレッチ

脚を肩幅より広く立ちます。つま先を45度に外に向けましょう。背中を伸ばし、両手を膝の上に置き、腰を落としましょう。頭が肩より前に出ないように注意して、背中を伸ばした状態でキープしましょう。
30秒間キープしましょう。
アキレス腱のストレッチ

片足を後ろに引き、かかとを床につけたまま前脚の膝を軽く曲げ、腰を落とします。両手は前脚の太ももに添えます。つま先が正面を向くように位置を調整してください。
アキレス腱が伸びるのを意識してキープします。
30秒間キープしましょう。反対の脚も同様です。
ふくらはぎのストレッチ

上記のアキレス腱ストレッチの姿勢から、胸を前に突き出すように上半身を倒し、ふくらはぎが伸びるのを意識します。
30秒間キープしましょう。反対の脚も同様です。
最後に
膝の痛みを放置しておくと変形性膝関節症が進行し、関節の変形や半月板も損傷していきます。ひどくなると日常生活や外出にも不便を感じるようになるので、膝周りの筋力アップのためにも今回のトレーニングを行いましょう。ただし、トレーニング、ストレッチなどは無理のない範囲で行い、痛みや腫れが出ないように注意が必要です。
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