手根管症候群の痛み・しびれを和らげるストレッチとエクササイズ5選
手首が痛い、指先がしびれる、朝起きると手がジンジンする、細かい作業をしていると手がつらくなる。このような症状でお困りではありませんか。
特に、親指・人差し指・中指にしびれが出る場合や、夜中や朝方に症状が強くなる場合は、手根管症候群が関係していることがあります。
手根管症候群では、手首をまったく動かさないようにするのではなく、症状を悪化させない範囲で、指を動かす腱や正中神経の滑りを保つことが大切です。
今回は、手首や指を無理のない範囲で動かし、手のこわばりや動かしにくさを軽減するための、やさしいストレッチとエクササイズを5つご紹介します。
YouTube動画はこちらから
手根管症候群とは?

手首の手のひら側には、骨と靱帯に囲まれた「手根管」という狭い通り道があります。
手根管の中には、指を動かす腱と、手の感覚や親指の動きに関係する「正中神経」が通っています。
何らかの理由で手根管内の圧力が高くなり、正中神経が圧迫されることで、手や指のしびれ、痛み、握りにくさなどが起こる状態が手根管症候群です。
手根管症候群でみられやすい症状
- 親指・人差し指・中指がしびれる
- 薬指の親指側がしびれる
- 夜中や朝方に手のしびれで目が覚める
- 手を振ると一時的に楽になる
- スマホやハンドルを持っているとしびれる
- ボタン留めなどの細かい作業がしにくい
- 物をつまみにくい
- コップなどを落としやすくなった
- 手首から前腕に痛みや違和感が広がる
手首の痛みだけで、必ず手根管症候群と判断できるわけではありません。
また、小指を中心にしびれる場合は、正中神経ではなく別の神経が関係している可能性があります。症状が続く場合は、原因を確認してから運動を行うことが大切です。
ストレッチを始める前の注意点
今回ご紹介する運動は、神経を強く引き伸ばすことが目的ではありません。手首や指をゆっくり動かし、神経や腱が滑りやすい状態を保つために行います。
- 勢いをつけず、ゆっくり動かす
- 強いしびれや痛みが出る位置まで伸ばさない
- 少ない回数から始める
- 運動後に症状が長く残る場合は回数を減らす
- 症状が強い日は無理に行わない
運動によってしびれが少し出ても、元の姿勢に戻すとすぐに治まる範囲にしてください。しびれが強くなる、範囲が広がる、運動後も残る場合は中止しましょう。
1.手を開く・軽く握る運動


まずは指と手首を強く緊張させず、手全体をやさしく動かします。
やり方
- 肘を軽く曲げ、手首をまっすぐにします。
- 5本の指をゆっくり開きます。
- 指先に力を入れすぎないように、軽く握ります。
- 再び指をゆっくり開きます。
回数の目安:10回
強く握り込む必要はありません。手のひらや指が硬くならないように、力を抜いて行いましょう。
2.指の腱を滑らせるエクササイズ


指を動かす腱は、正中神経(せいちゅうしんけい)とともに手根管の中を通っています。手の形を順番に変えることで、指を動かす腱をやさしく滑らせます。
やり方
- 手首をまっすぐにし、すべての指を伸ばします。
- 指の付け根だけを曲げ、指先を伸ばした状態にします。
- 指の第1・第2関節を曲げ、指先を手のひらにつけない軽い握り方にします。
- 指先を手のひらにつけるように、ゆっくり握ります。
- 親指以外の指を伸ばした状態に戻します。
各姿勢を3秒ずつ、5回
手の形の違いが分かりにくい場合は、無理に行わず、上のYouTube動画で動きを確認しながら行ってください。
手首を反らしたり、強く握ったりしないことがポイントです。指が動かしにくい場合は、できる範囲だけで構いません。
3.手首の曲げ伸ばし運動


手首を小さく動かし、手首まわりの動きを保ちます。強く伸ばすストレッチではなく、痛みのない範囲での運動です。
やり方
- 前腕を机の上に置き、手首から先を机の外に出します。
- 指の力を抜き、手首をゆっくり下へ曲げます。
- 元の位置に戻します。
- 次に、手首を無理のない範囲でゆっくり上へ動かします。
- 再び手首をまっすぐな位置に戻します。
回数の目安:10往復
手首を大きく反らすと、しびれが強くなることがあります。症状が出ない小さな動きから始めてください。
4.前腕をゆっくり回す運動


手のひらを上向き、下向きにする運動です。手首だけをひねらず、肘から先をゆっくり回します。
やり方
- 椅子に座り、脇を軽く締めます。
- 肘を90度ほど曲げます。
- 手のひらをゆっくり上に向けます。
- 次に、手のひらをゆっくり下に向けます。
- 手首を曲げず、前腕全体を回すように行います。
回数の目安:手のひらを上・下に動かして10往復
肩が上がらないように、力を抜いて行いましょう。
5.正中神経をやさしく滑らせる運動


手根管を通る正中神経を、強く引っ張らずに動かすエクササイズです。
やり方
- 肘を曲げ、腕を体の横につけます。
- 手首をまっすぐにし、指を軽く握ります。
- 指をゆっくり伸ばします。
- 指を伸ばしたまま、手首を少しだけ後ろへ動かします。
- しびれが出る前、または軽い違和感が出る手前で止めます。
- 手首をまっすぐに戻し、指の力を抜きます。
回数の目安:5回
最初から肘を完全に伸ばしたり、手首を大きく反らしたりする必要はありません。神経を伸ばし続けるのではなく、「少し動かして戻す」ことがポイントです。
運動は1日に何回行う?
記載している回数は、症状が落ち着いている場合の目安です。初めて行う時や、しびれが出やすい方は、まず各運動を3~5回、1日1回から始めましょう。
運動中や運動後に症状が強くならなければ、少しずつ5~10回に増やします。一度にたくさん行うよりも、少ない回数を無理なく続けることが大切です。
運動後にしびれや痛みが長く残る場合は、動かす範囲や回数が多すぎる可能性があります。次に行う時は、動きを小さくするか回数を減らしてください。
手首への負担を減らすために見直したい手の使い方
ストレッチやエクササイズだけでなく、普段の手首の使い方を見直すことも重要です。
手首を曲げたまま作業しない
手首を強く曲げたり反らしたりした状態が続くと、手根管内の正中神経に負担がかかりやすくなります。
パソコン、スマホ、調理、裁縫などを行う時は、できるだけ手首をまっすぐに保ちましょう。
スマホを片手だけで操作しない
スマホを片手で強く握り、親指だけで長時間操作すると、手首や指への負担が続きます。
両手で持つ、反対の手の人差し指を使う、スマホスタンドを使うなどの工夫をしましょう。
力を入れる作業を続けない
ハサミ、包丁、工具などを強く握る作業は、短時間で区切り、こまめに手を休ませましょう。
睡眠中に手首を曲げすぎない
寝ている間に手首を深く曲げると、夜間や朝方のしびれが強くなることがあります。手を枕の下に入れず、できるだけ手首をまっすぐに保ちましょう。
夜間に使用する手首用の装具が役立つ場合もありますが、強く締めすぎたり、手首が曲がった状態で固定したりすると、かえって負担になることがあります。装具の使用については、症状に応じて医療機関などへ相談してください。
セルフケアだけで様子を見ず、受診した方がよい症状
次のような症状がある場合は、ストレッチやエクササイズだけで様子を見ず、整形外科などの医療機関で状態を確認してください。
- しびれが一日中続いている
- しびれの範囲が広がっている
- 親指に力が入りにくい
- 物を頻繁に落とすようになった
- 親指の付け根の筋肉が痩せてきた
- 手の感覚が分かりにくい
- 強い痛みで眠れない
- 転倒やけがの後から症状が出た
- 首から腕にかけて強い痛みやしびれがある
- 運動をすると症状が明らかに悪化する
手根管症候群が進行すると、しびれだけでなく、親指の筋力低下や細かい作業のしにくさが現れることがあります。早めに状態を確認することが大切です。
まとめ
手根管症候群による手首の痛みや指のしびれには、指を動かす腱や正中神経をやさしく滑らせる運動が役立つことがあります。
ただし、神経を強く伸ばしたり、痛みやしびれを我慢して繰り返したりすると、症状が悪化する可能性があります。
まずは少ない回数から始め、手首を曲げたまま行う作業や、手を強く握り続ける動作も見直してみましょう。
手首の痛みや指のしびれが続く場合は、手首だけでなく、指の動き、前腕の筋肉、首や腕の状態なども確認することが大切です。
橋本接骨院では、手首や指の状態だけでなく、前腕や肘、首から腕にかけての動きも確認し、症状に合わせた施術やセルフケアをご提案します。親指に力が入りにくい、筋肉が痩せてきた、感覚が分かりにくいなどの症状がある場合は、先に整形外科などの医療機関へご相談ください。
手首の痛みや親指・人差し指・中指のしびれが続いている方は、手・指・手首に起こりやすい症状や、橋本接骨院での対応についてまとめたページもご覧ください。

手首の痛みや指のしびれ、手の使いにくさが気になる方は、お気軽にご相談ください。

