中高年になると猫背など姿勢の悪さや運動不足から腹筋や背筋が衰え、それが腰痛や中年太りの原因になります。
腹筋の力が低下すると、肋骨が下がり、お腹の内臓の働きが弱くなり、代謝が悪くなって脂肪がつきやすくなります。これがぽっこりお腹の原因になります。お腹に余計なお肉があると、その重みが直接腰にかかってきます。意識していないだけで常に重たい段ボール箱を抱えているような状態になってしまっているのです。このような状態では遅かれ早かれ腰痛になるのは当たり前です。
また、背骨の前面には腹直筋が、背面には脊柱起立筋があり、この2つの筋肉が背骨を引っ張り合いながら支えていますが、どちらかが低下すると拮抗していたバランスが崩れ、連鎖的に両方が低下します。つまり、腹直筋、脊柱起立筋が弱くなると腰を支えることができなくなり、腰痛が起きやすくなります。
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腰痛と筋肉
腹直筋と脊柱起立筋のバランスを考えると、姿勢が悪くなった時、つまり猫背や腰を丸くした状態では背中側の脊柱起立筋は立っているだけでも使われています。しかし、腹直筋は背骨を丸くしているとほとんど使われず、姿勢が悪いだけでたちまち弱くなります。
つまり中高年の腰痛を解消するには、ほとんど使われなくなった腹直筋を鍛えることが最も大切です。
その上で、背骨を伸ばす働きのある脊柱起立筋も鍛えましょう。
そして忘れてはならないのが腹斜筋の働きです。お腹の側面にあってねじる動作に必要な腹斜筋は腰のサポーターの働きをします。腰の背面から横にかけてギュッと腰を引き締めるので、腹斜筋は腰痛予防、そして再発防止のために必要不可欠な筋肉です。
つまり、姿勢を正すこと、腹直筋や脊柱起立筋、腹斜筋を鍛えることで、腰痛が解消しお腹がへこみ、スリムな体型を取り戻すことができます。
中高年の腰痛体操
イスに座って腹直筋上部のトレーニング
イスに浅く座り、両手を胸の前でクロスさせましょう。息をゆっくり吐きながら、背中を背もたれの方に近づけていきます。そして元の姿勢に戻したら、またゆっくりと息を吐きながら背中を背もたれに近づけましょう。
10回繰り返しましょう。
イスに座って腹直筋下部のトレーニング
イスに浅く座り、背中を丸くして背もたれにつけます。顎を引いて、両足を浮かせてスタートします。膝を胸に近づけるように引き寄せてもどします。足を床につけないように行います。
10回繰り返しましょう。余裕の有る人はペットボトルを膝に挟んで行ってください。
イスに座って腹斜筋のトレーニング1
イスに座り、両手を頭の後ろで組んで、胸を張るように肘を後方に引いておきます。このまま上体を左右にゆっくりとねじります。
10回繰り返しましょう。
イスに座って腹斜筋のトレーニング2
イスに座り足を大きく開きます。片側の手で反対の足首の外側をタッチするように体をねじり、戻します。いったん、まっすぐに体を起こしたら反対側の手で、逆の足首の外をタッチしましょう。
10回繰り返しましょう。
腹直筋のトレーニング
あお向けに寝て両膝を立てます。両手を太ももに当て、膝の方にスライドさせながら、上体を起き上がれるところまでゆっくり起き上がりましょう。上体は完全に起こす必要がなく、起き上がれるところまでで止めます。この時、腹直筋を意識して行いましょう。
余裕のある人は胸の前で手をクロスさせましょう。筋力のある人は頭の後ろで手を組んでください。
10回繰り返しましょう。
脊柱起立筋上部のトレーニング
うつ伏せに寝て腕を前に出し、へそから骨盤にかけての位置に八つ折りにしたバスタオルを敷き、ゆっくりと腕を使いながら上体を押し上げましょう。
10回繰り返しましょう
脊柱起立筋下部のトレーニング
先ほどと同様の姿勢から脚を交互に持ち上げましょう。
10回繰り返します。
腹直筋のストレッチ
うつ伏せに10〜15分、うつ伏せ寝をしましょう。うつ伏せに寝ることで普段縮みがちで伸ばす機会が少ない体の前面が伸び、腹筋を伸ばすストレッチになります。
余裕があれば肘をついて上体を反らせて20秒間キープしましょう。さらに余裕の有る人は腕を伸ばして、上体を起こして20秒間キープしましょう。
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