東洋医学には「六邪」という概念があります。
これは人体に悪影響を及ぼす気候変動のことです。
すなわち、風邪、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪の六種類の邪気があります。
これらの邪気が病気を引き起こす原因になっていると古来より言われています。
夏の体調不良はこれらのうち、「湿邪」と「暑邪」が関係し、夏バテを引き起こします。
湿邪
湿気が邪気に転化したもので、水分代謝が悪くなり、むくみやだるさを引き起こします。
これは湿度が高い環境にに長時間いると、十分に汗をかくことが出来ずに、体に余分な水分や老廃物がたまりやすくなり、血液の巡りを悪くします。
また、汗が流れずに皮膚表面や毛穴にたまり、かゆみや湿疹だけでなく、発散されない汗が筋肉や関節にも負担をかけます。
これを「汗の内攻」と言い、肩こりや腰痛の原因にもなります。
湿邪の対策
①水分代謝を良くし、食べ過ぎを避けて胃の機能を保つことが大切。果物やニンジン・ジャガイモ・サツマイモ・山芋・カボチャなど甘みのある野菜とスイカ・ゴーヤ・冬瓜など水分を多く含む野菜をうまく組み合わせてください。
②体表にうっすらとかいた汗をこまめにふき取ること。ふき取らず、冷房などに当たると汗冷えになり、だるさなどの不調の原因になります。
③ウォーキングなどの運動でしっかりと汗を流して体の水分を循環させることです。水分をしっかり補給し、汗としてしっかり放出させるサイクルをつくりだしましょう。
暑邪
暑さが邪気に転化したもので、水分が消耗して体に熱がこもります。
これは熱中症と同様の不調を引き起こします。つまり、熱を体の外に放出できなかったり、間に合わなかったりすると体温も上昇し、冷たいものを飲んだり食べたりしたくなります。そうすることで胃腸の機能が低下します。また、発熱やふらつき、めまいも引き起こします。
暑邪の対策
①「暑邪」に打ち勝つには、からだにたまった熱をさますことと、汗で失われた水分・ミネラルの補給が基本です。ただし、さましすぎて冷えると、ばててしまうので加減が大事です。熱を取るのはゴーヤ・ゴボウ・緑茶のように「苦い」食べ物や飲み物、そしてトマト・キュウリ・ナス・冬瓜のような夏野菜です。これにニンニク・ショウガ・大葉・ニラ・ネギのような香草も一緒にとることで冷やしすぎを防げます。また、ミネラルや水分の補給。クエン酸を含む梅干しやレモン、お酢など食事に合わせて摂るようにしましょう。
②涼しい服や帽子、日傘などを利用しましょう。猛暑の中では冷房も上手に活用しましょう。
最後に
夏の体の不調は気温と湿度に体がついていけないことにあります。自律神経も乱れがちになるので、体に疲れをためないようにしましょう。
不眠、だるさ、自律神経の不調を感じたら早めに体のメンテナンスにお越しくださいね!
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