円背とは
背骨はS字のような滑らかなカーブを描いているのが自然な状態ですが、背中を丸めた状態を続けていると、背骨が大きく曲がり猫背になってしまいます。猫背は骨盤が後ろに倒れている状態で、脊柱が丸まり固まってしまっています。そして、猫背が進行し、脊柱が前に倒れた状態になったものが円背です。
円背は特有の姿勢になります。脊柱でも胸椎と呼ばれる胸の部分が前に倒れることで背中が丸くなり、首は視界を保つためにあごが上がる状態になっています。
猫背からさらに重心が後方へと移り、加齢に伴う筋力の低下が加わると前へ前へと倒れていきます。その状態でバランスをとるため骨盤を後ろに倒し、脊柱全体が固まります。
立った姿では股関節や膝を曲げた姿勢になります。そのためバランスを保てるように手は後ろに回した方が楽、または杖をついたほうが歩きやすくなります。

円背が与える影響
- 足を上げる筋肉の働きが悪くなり、歩いたり立ち上がったりする日常生活における動作に支障をきたしてきます。
- 肩関節・股関節・膝関節のバランス力が悪くなり転倒の可能性が高くなります。
- 背骨を反らす機能が弱くなると、酸素を十分に取り込めなくなります。つまり呼吸が浅く、疲れやすくなります。
円背の改善
円背でも筋力低下等による姿勢不良からくるものは、筋力トレーニング・ストレッチで改善される事が多くあります。
背中や腰のこりや痛みを伴うことも多いですが、背中が曲がった状態で無理に背筋を伸ばそうとすると、さらに悪化する恐れがあります。
円背の方に共通しているのが、抗重力筋の機能低下です。
- 背中(脊柱起立筋群)とお腹(腹直筋)
- お尻(大殿筋)と脚の付け根(腸腰筋)
- 太もも後面(ハムストリングス)と太もも前面(大腿四頭筋)
- ふくらはぎ(腓腹筋、ヒラメ筋)とすね(前脛骨筋)
これらの筋肉が衰えてしまうと、背すじを伸ばしづらくなり、猫背になりやすく、進行すると円背になります。
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