呼吸と酸素
正しく呼吸ができると、走ることがもっと気持ちよくなります。
呼吸が浅いと姿勢が崩れやすく、胸を大きく開くことができずに猫背の姿勢で走ることになります。正しい姿勢で走るランナーと比べると姿勢の悪いランナーは1回の呼吸で取り込める酸素量は少なくなり、全身への酸素運搬能力は低下して持久力がなくなります。
呼吸を深くすることは酸素を取り込むために大切な要素です。
胸郭のバランス
深い呼吸をするには胸郭をスムーズに動かすことが大切です。胸郭は肋骨、胸骨、胸椎で構成されていますが、これが歪んだり、大きくズレていくと呼吸が浅くなります。
浅い呼吸、姿勢の崩れ、この連鎖を断ち切るには歪みがちな胸郭の左右バランスを整えること。呼吸機能を高めるエクササイズを毎日繰り返し、正しい呼吸を習慣づけてみましょう。
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深い呼吸ができるために〜胸郭のチェックとエクササイズ〜
胸郭のチェック
呼吸の深さ
呼吸の深さを測るには、みぞおちの高さで胴体周りを測ってみましょう。息を吐ききった状態と息を大きく吸った状態で差が5センチ以上あれば深く呼吸ができています。
脊柱起立筋の機能
両脚をそろえて背中をまっすぐに一直線にした状態からゆっくりとつま先に体重を乗せて身体を前傾にしてみましょう。身体が前につんのめったり、姿勢を崩したりする場合は脊柱起立筋が十分に機能していません。
脊柱起立筋は息を吸う上で大切な筋肉。ここが硬くなったり、収縮しないと呼吸が浅くなります。
肋骨の形状
肋骨の下部、つまりお腹との境界部分は肋骨の形がよくわかる部分。ここをしっかり左右差がないか触り比べてみましょう。
肋骨の下部は弓なりに下に大きくカーブしています。このカーブの先端位置の高さや、カーブの角度に左右差があると胸郭全体が歪んでいます。
鎖骨の下
鎖骨の下の第二肋骨は触れやすく、左右の硬さの違いがわかりやすいところです。肋骨の骨を親指で圧を加えて押しくらべて弾力に違いがあるかチェックしましょう。
深い呼吸のエクササイズ
胸複式呼吸
折りたたんだイスの上に足を乗せてあお向けになります。折りたたんだバスタオルを用意してお尻の下に敷きます。アキレス腱の下にも同様に敷きましょう。下腿が床と平行になるように、膝が直角になるように調整しましょう。
肩甲骨の間の背骨の下にゴムボール(テニスボール)を入れて胸を開いて身体をリラックスさせます。
鼻から大きく息を吸って、ゆっくり口から吐きましょう。手をお腹の上部に置き、横隔膜の動きを確認しましょう。この胸複式呼吸を10回行いましょう。
腹筋・骨盤底筋群を鍛えるバランスボールミニ
バランスボールミニ、小型のバランスボールの空気を少なくして上に座ります。お尻をゆっくりと時計回りに動かしましょう。この時、頭は動かさず、骨盤だけが動くようにして下さい。
5回回したら反時計回りにも動かしましょう。骨盤をいろんな方向に動かすことで腹筋、骨盤底筋群を鍛えるだけでなく、横隔膜も強くなります。このような体幹エクササイズは呼吸機能を高めてくれます。
最後に
これらのエクササイズを続けると呼吸の深さ、肺活量も大きくなり、無意識に深呼吸できる身体に変わっていきますよ!
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