骨は、負荷がかかるほど骨をつくる細胞が刺激されて活発になり、強くなる性質があります。 散歩を習慣にしたり、少し大股で歩いたりなど、日常生活のなかでもできるだけ運動量を増やすことが大切です。
今回の運動は70代後半以上の高齢者向けの体操です。年齢や体力、痛みの状態でできるもの、できないものもあるでしょう。できるものだけでいいので安全に注意しながら始めましょう。
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今回の体操では45㎝ぐらいの棒を使います。柔らかい素材の棒(橋本接骨院では水道パイプのカバーを使っています)または丸めた新聞紙など身近にある危なくない素材のものを使いましょう。まわりのものにぶつけないようにしてください。
背筋を伸ばす運動
イスに深く座って、両手を頭の後ろで組みます。胸を張り背中を伸ばしながら肘を後方に引きます。
背筋を収縮させることで背骨に刺激が加わります。
10秒間キープしましょう。
素振り運動
イスに浅く座り、両手で棒の端を握り、振りかぶります。肘を曲げて天井に向けて高く上げ、棒を背中に近づけるように構えます。左右の肘が外に広がらないように注意してください。片足を床から浮かせて始めます。
「やー!」と大きな掛け声をかけながら浮かせた足を床にドンと踏み込みながら棒を前に振ります。棒の先端を下まで振り下ろさず、頭の高さで止めましょう。
5回繰り返しましょう。浮かす足を反対にしてさらに5回繰り返します。
踏み込むことで足とすねの骨に衝撃がかかります。背中や腕の筋力も強くできます。また、転倒予防の運動にもなります。
座ってかかと落とし
イスに浅く座り、左右の膝の上で棒の端をはさみます。両手で棒をつかみ、太ももを上に引き上げ、ストンと落とします。かかとから床につけるように落としましょう。
10回繰り返しましょう。
足とすねの骨に衝撃をかけます。歩く時に脚を安定させる筋肉も強くなります。
股関節の回転
イスに座ってつま先の先に棒の端を縦に置き、同じ側の手のひらで支えます。足で大きな円を描くように股関節を回転させます。可動域いっぱいまで大きく回しましょう。
外回し5回、内回し5回繰り返したら反対の脚も同様に行いましょう。
股関節を柔らかくすることで転倒防止や歩きの安定になります。
イスの立ちすわり
イスに浅く座り、足を腰幅に開き、両手を太ももの上に置きます。
ゆっくりと両手で太ももを押しながら立ち上がります。完全に立ち上がらずに、少し膝が曲がった状態まで伸ばしたらゆっくりとイスに座ります。ドスンと座らないように、4秒かけて立ち上がり、4秒かけて戻すようにしましょう。
5回繰り返しましょう。
歩くのに必要な太もも、お尻の筋肉を強くし、腰骨にもいい刺激が伝わります。
立ってかかと落とし
両手でイスの背もたれをつかみ、立ちます。体をできるだけまっすぐに保ち、足を腰幅に広げて左右のかかとを浮かせてつま先立ちになったらストンとかかとを床に落とします。衝撃が強すぎると腰を痛めることがあるので、軽く落とすようにしてください。
10回、2セット行いましょう。
かかとにかかる衝撃が大腿骨や背骨にも伝わり、その刺激が骨を強くします。
最後に
骨を強くするには骨密度を上げる運動だけでなく栄養も大切です。
カルシウムはもちろん、コラーゲンとその合成をサポートするビタミンC
カルシウムの吸収を高めるビタミンD、ビタミンKも必須です。
運動と、適度な日光を浴びる事と食事も充実させて元気な足腰を維持しましょう。
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