テニス肘、つまり上腕骨外側上顆炎 (じょうわんこつがいそくじょうかえん) は痛いところのストレッチだけではなかなか回復しません。根本的には手と指の使い方や肩甲骨、背骨の動き改善のためのエクササイズを続けることが大切です。ただし、急性期の痛みの強い時期は安静に、激しい痛みが少なくなってきてから始めてください。
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⒈腕の筋肉をバランスよく使う
前腕のダンベルエクササイズ
500グラム~1キロのダンベルを使用します。
両腕を机など平らな台の上に置き、手のひらを上に、手首を反らせるようにして手を台の端から出します。
それぞれの手の指先でダンベルを引っ掛け、手首を反らせます。この時、親指は使わずに力を抜きます。
ゆっくりと親指以外の指を曲げていき、ダンベルを握り込んでいきます。握った手首を起こして曲がりきるところまで曲げていきます。親指はほ添える程度にしてください。曲げきったら力をゆるめ、最初に戻します。
10回握り込んで曲げていきましょう。
次に台の上で手のひらを下に向けて手首を下に垂らし、指先でダンベルを引っ掛けます。
ゆっくりと両手の指を曲げていき、ダンベルを握り、手首を反らせましょう。この時も親指は使わず、添える程度にしてください。
手首が台から離れないように注意して、10回動かしましょう。
2.指と腕のストレッチ
前腕伸筋から背中のストレッチ
イスに座り、両手を前に伸ばし手を組みます。手のひらは自分の方に向けます。手首を直角に曲げたままで、背中を丸めながら、腕を前に前にと伸ばしていきます。
伸ばし続けながら20秒間キープしましょう。
前腕屈筋ストレッチ
イスに座り、指先を後ろに向け手のひらを下に置きます。手のひらの位置を前後に動かしてみて程よいストレッチ感を得られるところを探しましょう。
手のひらに体重をかけて、心地よいところで20秒間キープしましょう。反対側の手も同様に行います。
指の屈筋ストレッチ
テニス肘は指の伸筋ではなく、屈筋側の筋肉が硬くなります!なのでこのストレッチは大切です!
腕を前方に伸ばして肘を伸ばしたまま、指を反らします。この時、指の背面に親指の腹を当てて、つかむように行いましょう。
10秒ずつ、すべての指を反らします。反対側も同様に行います。
内在筋(ないざいきん)のストレッチ
親指の指先を曲げ反対の手で指の先端と付け根の背側を押さえて反らせます。
次に人差し指から小指は第一関節、第二関節だけをまげて反対の手で爪と指の付け根を押さえてそれぞれの指を1っぽんずつ反らせましょう。
10秒ずつ、すべての指を反らします。反対側も同様に行います。
3.肩甲骨の可動性を高める動的ストレッチ
肩の上下
イスに座り、背中をまっすぐにします。腕の力を抜いて、両肩を持ち上げ、2~3秒キープしたら戻します。戻すときにストンと落とさずに、自然に戻してください。
5回繰り返しましょう。
腕の回転
イスに浅く座り、背もたれにもたれ、片側の腕を伸ばして大きく前に回し、後ろ回しを交互に繰り返します。
5回回したら反対の腕も同様に行います。
腕の上下
イスに浅く座り、両腕を上に伸ばし、手を軽く握り、肘をほんの少し曲げます。背もたれにもたれながら体を伸ばしたら前から腕を振り下ろし、体を前に倒して腕を後ろにまで伸ばします。
5回繰り返しましょう。
深呼吸
イスに浅く座り、背もたれにもたれ、息を大きく吸いながら両手を横に広げ、両肩を後方に引いたら、
息を吐きながら体を起こし手を前に出します。
5回繰り返しましょう。
4.背骨改善トレーニング
体ねじり
イスに座り、手のひらを下に向け、腕を肩の高さで前に伸ばします。お尻を動かさないように注意しながら、手をそろえたまま腰から横にねじります。
左右にゆっくりと5回動かしましょう。
わき腹伸ばし
イスに座り、片手を反対の足先に伸ばします。反対の手は天井に向けて伸ばします。視線は上に伸ばした指先を見ましょう。
10秒間キープします。反対の腕も同様に伸ばしましょう。2セット行います
最後に
テニス肘は上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)といい肘の外側が痛みます。上腕骨外側上顆炎の対策は腕の筋肉の柔軟性改善だけでなく、間違った腕や体の使い方を変えることで痛みを取り除くことです。
肘に負担をかける間違った使い方は
1.手首を曲げる腕の親指側の筋肉、小指側の筋肉がバランスよく使えない
2.腕の屈筋側(くっきんがわ)の筋肉が硬くなりすぎて、伸筋側(しんきんがわ)の筋肉でバランスをとろうとしてしまう
3.肩甲骨の動きと安定性が悪い
4.胸椎が動かせていない
今回のエクササイズではこれらの間違った使い方を改善できます。ぜひ毎日、3週間続けてみましょう!
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