手の母指CM関節症
手の親指の付け根が痛い。
ジャムの瓶の蓋が開けられない。
雑巾が絞れない。
このような症状で来院される方は多いです。
そして皆さん、腱鞘炎だと思って来られますが、これは腱鞘炎ではありません。
腱鞘炎とは病態も治療法も違います。
母指CM関節症は馴染みのない病名ですが、親指の付け根にCM関節という関節があります。
この関節の骨と骨の間にはクッションの役目をする軟骨があり、この軟骨が使いすぎなどですり減り、骨同士がぶつかり、炎症や変形で痛みを起こすのが母指CM関節症です。
ひどくなると関節の隙間がなくなり、骨がずれたり、亜脱臼となったり、手術(関節形成術)が必要になるぐらい変形することもあります。
CM関節症の原因
手の指の関節は蝶番関節といって1方向だけにしか曲がりません。
唯一、親指の付け根のCM関節だけが鞍関節という他の指とは違う構造をしています。
鞍関節(あんかんせつ)は馬の鞍のような形をしています。
この鞍同士が互い違いに動き、回転軸が2軸の動きとなり、動かせる範囲が大きくなります。
この鞍関節の動きのおかげで回転運動が指に加わり、他の指との対立運動が可能となって、掴む、握る動きをすることが可能となります。
しかし、動きが大きく複雑なため、手先を使いすぎるとCM関節は磨耗しやすく、軟骨を傷つけたり、関節を腫らしたり、亜脱臼の変形を起こしやすくなります。
PCのキーボード、スマホ操作、親指を酷使する環境にある場合、大切なのは関節の構造を理解して、負担のかからない使い方をすれば症状は改善できます!
CM関節に負担をかけない使い方
①指を軽く曲げて使う
指の関節を伸ばしたとき、指の各骨の連結は強くなり、1本の棒のように真っ直ぐに安定します。
そのため強い力が指先に加わると、根元であるCM関節にズレるような力が入ります。
指を伸ばした状態では各関節の隙間は狭く、関節の遊びがなくなり、指先に力がかかるとCM関節だけに負担がかかります。
指の各関節が少しでも曲げた状態だと、指先に力がかかってもCM関節だけに力が集中することはありません。
例えば、タワシを持つとき親指を伸ばしていませんか?
この状態で力を入れてゴシゴシするとCM関節に負担が集中してしまいます。
親指を曲げて持つと母指内転筋や短母指屈筋などの筋肉に力が入り、CM関節の負担が減少します。
スマホを持つ時も親指を伸ばして動かすとCM関節に無理がかかりやすいです。
軽く指を曲げて使うと動かす負担が各関節に分散されます。
②力を込める方向
力を込めて押さえたり、握ったりするときは指の腹が垂直に当たるようにしましょう。
指を斜めに当てて力を込めると、CM関節に捻る力が働き、関節面を痛めやすいです。
斜めに力を込めた上、指を伸ばして使うとCM関節への負担は倍増します。
③軸に乗せる
指をほんの少し曲げて力を込めるとCM関節への負担は少なくなりますが、強大な力を支えるときはまた違います。
体重を乗せるような大きな力を込めるときは指を真っ直ぐにして、骨の連結の軸に体重をかけましょう。
ただし、軸が一直線になるように常に意識してください。
このように真っ直ぐに使いましょう。
軸が曲がった状態で強い力を繰り返しかけると、曲がった部分に無理な力がかかります。
力の入る方向に指先を向けて下さい。
横方向のブレにも注意しましょう。
[char no=”1″ char=”橋本”] CM関節症は手の使い方を意識するだけで症状を改善できます。私もこの仕事に入って最初に師匠や先輩たちから手の使い方を教わりました。近年は手を使う仕事でも、こういった体に負担をかけない使い方を仕事の先輩から後輩へ伝承がされていないように感じます。[/char]
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